それぞれの窯元さんの特徴やお勧めを、
来て下さった皆さん全員にお話しすることが出来ないので
この場でご紹介しようと思い、前回から少しづつですが記してます。
今回は常山窯さんのご紹介。


以前の窯元さん巡りをして夏にご紹介しましたが、
砥部町から南へ少し離れた場所で山が近く落ち着いた場所に工房があります。
物静かで控えめな印象ですが、作風は繊細さと存在感が共に感じられる作品ばかりです。
まず白磁の作品はどれも生地の厚みが薄く、
もった時に印象より軽く感じます。

更に飲み口や注ぎ口などは薄いためシャープさが際立ちます。
そして絵付けはまるで水墨画の様に呉須で濃淡が表現された絵柄で
一つ一つの白磁のキャンバスに描かれた作品のようです。

この蕎麦猪口も手作りらしい自然な姿形で、モチーフの図柄が繊細に描かれています。
こちらの茶器などは極限まで薄く繊細に形成されていて、
絵柄の繊細さと相まって、手に取ると儚ささえ感じます。
写真では分かりづらいですが、発色が少しクリーム掛かった生地の色で
この時の土の色がとても良かったそうです。(今の在庫限りです)

それから全然作風は変わって、全体に色付けしたものの中に
下地の色を浮かび上がらせた「かきおとし」といわれる技法で
図柄の(草文)と合わせて特に印象的です。

うつわ全体に掛けられた色の中に図柄がいっぱいに広がり
特にサイズの大きい作品では迫力あります。
手に取ってみるとその細かい図柄にやはり繊細さを感じます。
そんな常山窯さんの作品がとても気に入っているファンの1人です。