2016年01月27日

アンティーク鏡扉付き棚の修理

こちらの商品も、海外で買い付けされた商品の修理依頼です。
アイボリーの塗装の剥がれ具合がまた味のある一品ですが、
鏡の付いた扉が外れてしまってました。
さらに棚全体が緩んでガタつきがあり、棚板も無くなってました。
鏡棚修理前.jpg
棚自体が大きくないので鏡の付いた扉も軽く
とても簡素な作りで、蝶番のようなものではなく、棚を組む時にヒンジ代わりに
上下を釘で支えてあるような可動方法でした。

これまたシンプルなのですが、釘が細いので錆び、上側が折れているので、
何かしら新しいヒンジになるようなものを準備しなければなりません。
かといって、このようなピボットヒンジは大きな扉用は存在しますが、
こんなに小さなものは探してみても存在してないみたいです。

また釘を使うというのは芸が無いし、後々メンテナンス出来るようにしなければ
折角の修理も意味がありません。
そこで、上側は汎用品で棚板受けを使うことにして、
扉を差し込む感じで、こんな配置になるようにセット予定。
上側.jpg
下側はMネジを棚板を挟むようにして、こんな感じに取り付けることにしました。
下側.jpg

これで下側のネジを緩めれば扉の脱着もできるし、
どこでも手に入る部品なので、交換も可能。
そして何よりも見た目に大きく手を加えずに雰囲気を損なわないのが大事です。
部分的に手を加えた部分が目立つと、アンティークの雰囲気が台無しで、
出来るだけオリジナルの外観を保ちつつ、実用に使えるようにするのが
古道具を直すときの基本と思ってます。

扉や棚全体の緩みやガタつきも、見えないようにボンドで固定。
カッチリと組みあがった棚は、見た目しっかりとした雰囲気が感じられます。
鏡扉棚.jpg

そして、扉の開け閉めも、問題なく使えるようになりました。
鏡扉棚内部.jpg

使われている樹種が解りにくいですが、軽いのでシダー(杉)系のような気がします。
華奢なサイズに合わせて棚の厚みを揃えて製材したら、
あとは全体の雰囲気に合わすように塗装します。
何度か塗り替えられているようで、剥がれたペンキの下に何色も色が見えます。
それと同じように何色も重ね塗りして、ペーパーのやすりで剥がします。
んー、まぁこんな感じで違和感ないくらいに使ってもらえるかな。
棚板.jpg

なんとか修理完成しました。

こちらの商品のお問い合わせも、倉敷の「DaisyStore」さんへ。
Daisy Store[デイジーストア]
〒710-0055
岡山県倉敷市阿知2-21-10 ANTICA2F
Tel & Fax ⁄ 086-476-0551
Open ⁄ 11:00〜18:00
定休日 ⁄ 火曜日
http://www.daisystore.jp/
posted by 内田屋 at 16:33| Comment(0) | TrackBack(0) | アンティーク

2016年01月19日

ペンダントランプの制作

遅ればせながら今年もよろしくお願いいたします。

年末にご依頼を受けていたランプの制作が完成しました。

まずこのガラスシェード(というか、ガラスの筒状)は
確かに照明の部品であると思われますが、
どういった取り付け方をされていたか全くわかりません。
ガラス筒2.jpg
そんなことはどうでもいいのですが、ペンダントのランプにしたい
ということですですので、口元に合うサイズの金具を作って、
電球を付けれるように組み立てます。

ランプ.jpg
全て真鍮製の口金で、吊り下げコードは茶金色の布コード70cmのご指定でしたので、
ご要望に合わせて制作いたしました。

ガラス部分の清掃が出来ていないのでまだ曇ってますが、
一先ず完成したので点灯試験してみます。
完成.jpg
球はベースがE17の仕様にしてありますので、
フィラメントタイプの電球でも、電球タイプLEDランプでも取付可能です。

点灯.jpg

合計で4個制作させてもらってます。
販売のお問い合わせは倉敷にある『DaisyStore』さんへ
お願いいたします。

Daisy Store[デイジーストア]
〒710-0055
岡山県倉敷市阿知2-21-10 ANTICA2F
Tel & Fax ⁄ 086-476-0551
Open ⁄ 11:00〜18:00
定休日 ⁄ 火曜日
http://www.daisystore.jp/
posted by 内田屋 at 10:45| Comment(0) | TrackBack(0) | アンティーク

2015年10月20日

ドアノブとケースロック

ここのところ古い家を直していて、すっかりブログ離れしておりました。
その古い家のリフォームに関してですが、
傷んでいるドアを、別のアンティークドアと取替えした時の事。

ドアには蝶番やドアノブなどといった金物があり、
出来るだけアンティークのものを使えるものはそのまま使いたいと思っています。
でも使えなくっちゃ意味がないので、使えるようにしてしまおうというのが今回のテーマ。

ガラスノブ.jpg
ドアを開け閉めするのにドアノブを廻し、ラッチを動かすのですが、
古くなると動かなかくなったものもあります。

今回もその「ケースロック」といわれる部分をバラして修理します。
ノブを抜いて、ケースロックをドアから抜き出します。
ケースロック取り外し.jpg

ケースロックを開いてみると、真鍮製で中身はシンプル。
ラッチをバネで支えているのですが、折れてしまってます。
内部.jpg

これはトーションバネというタイプで、巻き数(右巻・左巻)に巻径や、線径にアーム長やアーム角、
バネ定数といった要素が様々あります。
今回は見てみると左2巻の内径Φ8mm、線径1.2mmのL=32mmで180度タイプの様です。
新しく作ってもいいのですが、規格に近いものがあったので、流用しました。
もちろんsus(ステンレス)製です。
トーションバネ.jpg

はめ込んで動きをチェック。
バネ定数が少し違いますが、バネが少し強いくらいの方がしっかりしていいです。
セット.jpg

シリコーンスプレーで動きを滑らかにして、ケースを組み立て。
ドアに取り付け直して組み上げていきます。

ドアノブ.jpg
ガラスのドアノブも上品です。
シャフトの真鍮ベースが潰れていたり、ノブがグラついていたので、修正して完成です。

ドア.jpg
やっぱり、古いものは重量感もあり、新しいものでは出せない雰囲気がいいです。

やはり手間が掛かっても古い家には直してでも似合う用品を使いたいと思います。


posted by 内田屋 at 14:54| Comment(0) | TrackBack(0) | アンティーク